2009年8月27日木曜日

893と精神病

おいらの友人の父親はバブル崩壊後にリストラされたそうだ。
懸命な就職活動にも関わらず、再就職先は決まらなかった。仕方なくアルバイトをしていたが、やがて体調を崩した。最初町の内科医にかかっていたが、原因が分からず大学病院を紹介された。しかし大学病院の精密検査を受けても体調不良の原因が分からない。何度目かの受診で精神科にまわされ、鬱であることが判明した。それから友人は父親一人では心配なので必ず付き添って、二週間に一回のペースで大学病院の精神科へ通っているそうだ。

精神科の待合というのは一種異様だそうである。時期によっては、絶え間なく席を立ったり座ったりする奴、壁に向かって説教している奴、突然奇声を発する奴などが同時に存在してカオス状態だそうだ。
友人によると通院していると同じようなペースで受診している患者をいつも見かけるので顔を覚えてしまうらしい。
そして友人は自分のように付き添いではなく、明らか患者として受診している人物の中で「こいつが精神病なんてあり得ないだろ!」と断言できるような柄の悪い奴が幾人か居ることに気がついた。
なんで精神病のフリをしてわざわざ大学病院まで通ってくるのか、こんなカオス状態のところに好き好んで来る奴がいるとは、友人には信じられなかったようである。
ある時、大学病院の駐車場に車を止めようとしたら、例の「あり得ない」患者の一人が車から降りてきた。そいつの車はなぜか古い型の黒塗りのベンツだった。なるほど柄が悪いわけだ、と友人は思ったそうである。

以上の話で、おいらと友人はひとつの結論に行き着いた。なぜヤクザが大学の精神科へ受診に来ているのか。やつらは「生活保護受給」のために来ているのだ。
ヤクザからの生活保護の申請は昔から沢山あった。なにせ受理されれば寝転んでいても国が生活費を振り込んでくれるのだから、こんなにおいしい話はない。しかし最近は生活保護受給の検査は厳しくなってきている。ヤクザが受付でスゴむくらいでは許可が降りない。そこでヤクザはこの許可を出し易くするため「精神病」として通院履歴を重ねているというわけだ。「精神病で仕事ができない」ため「生活に困る」から「生活保護」を支給を申請する。これはなるほど受理されやすそうである。これなら受付でスゴむ必要もないだろう。そして更に何年にも渡って継続的に生活保護を受給するために「まだ働けるほど治っていない」とのアピールに必要な受診をせっせと続けているのだ。
なるほどなあ…。クズはクズな方法を考えるもんだ。

それにしても…。
そのヤクザを診察している精神科医はどう判断しているのだろう。
継続してヤクザが受診していると言うことは正式な精神病(妙な表現だが)として扱っていると言うことなのだろうか?いや精神科医はプロなのだから精神病かそうでないかぐらいわかる筈だ。友人にもわかるくらいなのだから。しかしヤクザが定期的に受診しているのは事実だ。となると、精神科医をまんまと騙すくらいにヤクザの精神病的な表現が優れているとしか考えられない。ヤクザも生活保護受給の為に影で努力しているというわけだ(笑)。
忘れちゃならないのは生活保護は税金から出ていることだ。我々は税金をヤクザを養うために払っているわけじゃない。

こういった不正を抑えるためには精神病が目に見える判断基準を持たないとダメだと思う。例えば、近年研究が進んでいる脳科学分野の応用はその先鞭をつける上で最適なのではないだろうか。脳をスキャンして活動部位や血流量などのデータから精神状態を判断できれば、不正することは100%不可能である。人間は脳により嘘をつくけど脳の状態に嘘をつくことは出来ないのだから。
ぜひ早急に実現して貰いたいものだ。

あ。ちなみに「ヤクザという職業につく事自体が精神病と言える」というオチはなしの方向で。